Oh, My God!!!


それでも地球は回ってる。
by coco-egtw
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在原業平

和歌なんかを、ちょっと気にとめてみました。
在原業平様、紀貫之に和歌の名手として名を挙げられています。
皇統の血筋に生まれながら薬子の変のために在原の姓を賜って臣籍に下ったそうです。
その反動か、類まれなる歌才と美しいいでたちとで、狂おしいまでに風流の世界に身を投じた彼。
常人が触れることが出来ない禁断の女性にさえも身を省みず挑んだ彼は、まるで破滅をも望んでいるかのようで、その彼の歌も、心揺さぶられるようなものがある気がします。

禁断の女性の一例は、伊勢物語第六十九段に出て来る伊勢斎宮恬子(やすこ)内親王との情交。
業平は「狩の使」として伊勢の国に下る。狩の使とは宮中の宴会用の野鳥を捕らえさせるために諸国に派遣する勅使のことである。業平は斎宮の宮に宿泊する。彼は斎宮に強引にも恋を打ち明けて、お逢いしたいと云う。斎宮は人々が寝静まるのを待って夜更けに、業平の寝所にやって来て、一夜を共にする。翌朝、斎宮は業平に歌を贈る。

「君や来し我れや行きけん思ほえず 夢かうつつか 寝てか覚めてか」
(貴方がお出でになったのでしょうか。それとも私が伺ったのでしょうか。一体あれは夢だったのでしょうか、うつ つだったのでしょうか)
伊勢斎宮は伊勢の大神に仕える清浄にして何人も侵すべからざる神聖な女性である。
 
 もう一つ別の例をあげよう。伊勢物語に第四段・第六段など幾段にもわたって出て来る二条の后高子(たかいこ)との話である。
彼女は藤原長良の娘、将来は天皇の后となるべき、いわゆる「后(きさき)がね」として深窓に養われていた。事実、彼女は後に清和天皇の后となって陽成天皇を生む。その彼女を業平はひそかに盗み出す。芥川と云う所まで来て、背負っていた彼女を草の上に下ろすと、彼女は草の葉に置く露を見て「あの光っているのは何なの」と訊ねる。しかし、雨が急に降り出したので、荒れた小屋の中に彼女を入れると鬼が現れて彼女を一口に食べてしまった。彼は泣きながら、

「白玉か何ぞと人の問いし時 露と答えて消えなましものを」
(あれは真珠なのと聞かれた時、あれは露ですと答えて、自分も露のように死んでしまえばよかったのに)
第六段は末尾に、鬼に食われたと書かれているが、これは高子の兄たち、基経、国経の二人が妹を奪い返したのであると記す。
 ここでも、将来は天皇の后となる予定の女性を誘拐すると云う大胆さ。それは体制と運命への叛逆である。
そして、第四段は、高子が宮中へ入ってしまった後、

「月やあらぬ 春や昔の春ならぬ 我が身一つはもとの身にして」
(この月は昔の月と違うのか。この春は昔の春とは違うのか。我が身は昔のままなのだが、彼女だけがいない)
 
  伊勢物語は最後の第百二十五段に彼の辞世の歌を記す。
「ついに行く道とはかねて聞きしかど 昨日今日とは思わざりしを」
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by coco-egtw | 2005-07-29 19:43 | Oh,my Japan!
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